第41回日本疼痛学会

2019年7月12-13日
The 41th Annual Meeting of Japanese Association for the Study of Pain

ご挨拶

第41回 日本疼痛学会の開催にあたり

この度,第41回日本疼痛学会を2019年7月12日(金)~13日(土)にかけまして,名古屋国際会議場にて開催させていただきます。

近年の疼痛医学の発展は動物実験を中心とした基礎的研究(細胞生物学や神経生理学など),臨床的研究が非常に発展し,大きな前進を遂げてきています。また,ヒトでの研究でもfMRI などの技術の発展により,痛みの脳・神経科学的分析が進んできています。その一方で実際の臨床現場での取り組みでは身体的なものではなく,精神科的な問題,心理的な要因(生育歴や社会背景など)が長引く痛みに大きく影響し,患者が苦しみ悩んでいることも明確になってきています。

すなわち現状では疼痛医学領域における実臨床と研究はまだまだ大きく乖離したところがあり,基礎,臨床の両面から身体と精神心理を同時に考えていく方法の具現化が必要となっています。

デカルトが掲げた「心身二元論」は精神を我々の本態,肉体を精巧な機械として“心身分離”を述べており,“身体でなければこころ,こころでなければ身体”という考え方は広く我々の中で浸透しています。臨床現場でもその考え方に基づいて治療方針などが立てられることは多く,例えば,手がしびれて痛く感じる原因が整形外科的なものでなければ精神心理的な要因によるであろうから精神科の受診が必要である,といった診療の流れになります。一方でデカルトは「情念論」で精神と身体が密接に関わり合っているとの趣旨も述べていますが,痛み診療において生物心理社会モデルから考えた診断治療が有用であることは自明です。

そこで私共は今回の学術集会のテーマを『心身二元論からの脱却と新たなる挑戦』とさせていただきました。

痛みに関わる様々な分野のエキスパートが学際的に集結できることが日本疼痛学会の特徴だと考えており,この学術集会を機にさらに一歩二歩と踏み込んで基礎と臨床,また研究者・医療者と患者が融合し,次に繋がる新しい発見や英知の深化を願っております。

本学術集会の準備にあたっては,早い段階から多くの理事,代議員の先生方にプログラム委員にご就任頂き,公募シンポジウムなどのプログラムを立てさせて頂きました。おかげさまでシンポジウムに加えて,特別講演,教育講演等により最新の基礎研究,臨床研究を学ぶ機会を用意できたものと考えております。また,痛みの評価,診断,治療に関わる様々な内容で100題以上の一般演題を頂きましたので,是非とも談論風発させ新しい方向性が見いだせればと思っております。

7月の名古屋ということで猛暑の中での学会となりますが,学会後は名古屋メシを堪能いただき,また名古屋城本丸御殿や金シャチ横丁などへも足を運んでいただいて名古屋を満喫,楽しんでいただけましたら幸いです。

教室員一同,関連施設ともども実りある会とすべく準備を進めて参りましたので,多数のご参加を頂けますようお願いいたします。

第41回日本疼痛学会
会 長 牛田享宏
副会長 西原真理,松原貴子
愛知医科大学学際的痛みセンター教室員一同